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分離独立運動の未来
―― なぜ暴力路線へ向かう危険が高いか

タニシャ・M・ファザル ミネソタ大学准教授(政治学)

Go Your Own Way
Why Rising Separatism Might Lead to More Conflict

Tanisha M. Fazal ミネソタ大学准教授(政治学)。Wars of Law:Unintended Consequences in the Regulation of Armed Conflictの著者。

2018年8月号掲載論文

分離独立運動が直面するジレンマは深い。国家の仲間入りを果たしたい以上、分離独立運動も主権概念を尊重している。だがそのためには、分離独立しようとする国の主権を犯すことになる。しかも、非暴力主義が独立して国家をもつための最善の道なのかどうか、はっきりしなくなってきている。国際社会と国際機関が、国家として機能できそうなクルディスタンやカタルーニャの分離独立の承認を拒絶し続ければ、これらの運動は、これまでの自制をかなぐり捨てて、いずれ、暴力路線や一方的独立宣言に踏み切るかもしれない。分離独立勢力が「(国際社会が求めるルールを守って目的の実現を目指しても、ほとんど何も得られない」と判断すれば、その帰結は忌まわしいものになる。

  • 非暴力的分離独立運動の終わり?
  • 国際社会が国に求める条件
  • 独立に向けた正しい行動とは
  • ICJが示した判断の波紋
  • 分離独立運動のジレンマ
  • 望みものを与えよ

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